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2004-08-08 母音

引き続き「対日漢語語音教程」で発見したことを書き留めておく。

今回は母音について。

「中国語の i は強い舌面摩擦音を伴っている」(p.76)と書いている。「衣」yi には子音[j](国際音標文字)があるというのだ。 xi を言うつもりで i を出すとこの音になる。

「女は中国語でよみがえる」の著者が中国人に i を直される場面があった。たしか続編(勉強編)を書店で立ち読みしたときに見たと思う。著者が日本の多くの教科書が教えるように「唇を横に引いて」発音したところ、中国人教師は違うという。「それではこうか」「違う」と何度も練習するうちに著者が気づいたのが「のどのあたりを平らにする」こと。「対日漢語語音教程」の説明に共通するところがあるようだ。

複母音についての記述もいままでに読んだものに比べて正確だと感じた。後響複母音(「発音の基礎から学ぶ中国語」で相原教授が「発展型」と呼ぶもの、つまり ia・uo など)は「半母音と母音とが融合した発音」だと説明している。編著者は「融合」という点を強調していて、日本語の二つの母音の連続とは異なると繰り返し書いている。

これらの発音は、二つの母音は一つに融合し、ともに音節の制約を受けて、ある程度の変化が起こり、それぞれ音節全体のために犠牲を払っている。

前響複母音(ao・ei など)の項でこの「融合」・「犠牲」についての具体的な説明がある。

通常の母音の開口度どおりに口を開き、但し、まだ音を出さない。口形が二番目の母音へ移動し始めると同時に音を出し、そして、二番目の母音にいたる直前で発音を終える。

ai は a + i ではない。a も i も融合のために少しずつ変化しているということだ。

日本の指導者もこのあたりのことを説明したいのだろうが、初学者には「理屈っぽい」と嫌われるのだろう。だが、「ua は日本語の『ワ』ではありません」と言うよりは、上記のように明快に説明する方がわかりやすいと思う。

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