発音教材
発音は大切だ。自信をもって一度で相手に理解させないことには会話が成立しない。中国語では顔を真っ赤にして繰り返しても誤った発音では1文字の漢字すら永久に伝わらない。「禿」・「刷毛」よりも始末が悪いだろう。
「発音の基礎から学ぶ中国語」(相原茂 朝日出版社)は良い教材だが、これ一冊では少し足りない部分がある。
いまのところ気づいたのは
1.母音は声門閉鎖から発声することに言及していない。
2.e は「変化していく音」という説明がない。
3.「七」・「八」の変調を説明していない(おそらく複雑を避けるため意図的に)。
4.c・z・s に a や u が続くときの口の形の変化を説明していない。
5.üを「横笛を吹く唇の形」と表現しているが、これでは読者には通じない。そもそもフルートなのか龍笛なのか。
信頼できる教師にいずれは習う必要が絶対にあるが、それまでも「セカンドオピニオン」としてもう一冊信頼できる参考書があるとよい。「紹文周の中国語発音完全マスター」(紹文周 アスク)はたいへん優れた本だと思う。
この本は「対日漢語語音教程」と同様、2音節で四声を練習することに重点を置いている。中国語を母語とする著者による共通点かもしれない。
他の記事でも書いたが、広島大加藤助教授のサイト「中国語発音学習教材」は必須だ。上記1・2に明快に答えているのはここだけだろう。他にも子音と母音との関係など、このサイトならではの貴重な情報がたくさんある。
2004-08現在、もっとも信頼できる発音教材は下記の組み合わせだろう。
・紹文周の中国語発音完全マスター(前述)…正確さ・練習材料の的確さでは一頭地を抜いている。
・発音の基礎から学ぶ中国語(前述)…効果的に学習を持続させる手腕はみごと。
・中国語発音学習教材(ウェブサイト)…私にとってもっとも役に立った資料(出版・サイト問わず)。宝の山。
・中国語発音塾(ウェブサイト)…音が変化する過程をもっとも明快に説明している。
理解を深めるために強く勧める副教材を示す。
・デンさんの広東語相談室(ウェブサイト)…英語発音の「30音でマスターする英会話」の趣旨を理解する人なら参考になることろが多いはず。
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。
コメント