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誤用から学ぶ中国語

「誤用から学ぶ中国語―基礎から応用まで」(郭 春貴 白帝社)

すばらしい本だ。私の要望・好みに合っているし、著者の研究は有用な成果を生んでいる。

「修訂新中国語」の例文をまるごと覚える学習をしているので、誤った文章を身につける心配はないと考えていた。しかし、例文を下敷きにして自分で作文をしてみるとかなり心許ない。「了」の場所はここでよかったか。時間の長さを表す表現はこれでよかったか。頻度を表す語はどこに置くのか。語句の単純な入れ替えなら問題ないが、そこから一歩踏み出すことが難しい。

正しい例文を記憶することは大切で効果的だ。学習の中心に据えている。だが、その裏付けを学習することも同様に必要ではないか。教科書の例文や練習問題による入力の蓄積だけでは「普遍的な法則」が形作られるまでには至らないように思う。

どのような学習法が最善かは人によってさまざまだろう。私の場合、「なぜそう言うか」を知りたいという欲求が満たされることも重要で、学習意欲にも関わる。

この本は日本人に多く見られる誤用をとりあげ、なぜそう言わないかをわかりやすく説明している。この説明が中国語の内部に入り込んだ優れたもので、「なるほど、そうだったのか」と感心してばかりだ。

入門用の教科書にさりげなく出てくる事項には、実は中国語が中国語たる語法が山盛りなのだ。掘り下げて確実な知識にしておくけば、例文を記憶する学習にも深みが伴う。

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