2005-07-17 声調がある
中国語の学習を始めるときに少し心配だったのは声調だった。母語にない要素(音の高さの変化)を意味の識別に使うと聞くと、どうしても心配になる。
実際にはそれほど難しくなく、練習は楽しいものになった。日本語が声調を使っていることも思いだした(多音節での話だが)。
漢字ひとつひとつに固有の音があるというのは非母語話者にはありがたいことだ。日本語の初学者が音読み・訓読みの区別を聞いたら目の前が一瞬暗くなるのではないか。
漢字の音は一つで、声調も固有だ。それはわずか4種類(+軽声)。さすが人工言語。広東方言の何種類あるかはっきりしない声調や上海方言の連読変調などと比べると、普通語は非声調言語を母語とする人には学習しやすいと思う。
普通語を制定して全国民が使えるようにしようという試みは壮大なものだと改めて感心。外国人にとっても容易だということも考慮に入れたのだろうか。
ピンインもわかりづらいところが少々あるが、体系と表記との妥協点はまずまずだと(学習者の私は)感じる。アルファベットを選んだのも慧眼と言うべきだろう。
※ 上海方言についてのリンク先は「上海語についての簡単な紹介」(鈴木一利氏)、広東方言についてのリンク先は「広東語上達頁」(奥村惠子氏)である。
広東語上達頁の声調についての記事はたいへん興味を惹くものだった。
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コメント
こんにちは。
広東語上達頁は目からうろこですね~。
私の中国語の先生も、「日本語には声調があるから、大変だった。」て言っていました。声調記号(番号)もちゃんとあるそうです。
全然意識してませんでしたが、言われてみればそうだなあ、と納得しました。
それにしても上海語や広東語って難しそう・・興味はあるのですけど。
投稿: ぺりお | 2005.07.19 14:11
日本語の声調、新明解国語辞典の裏表紙に出ていますね。
新明解といえば...。
http://www.geocities.co.jp/Bookend-Soseki/3578/
投稿: Shira | 2005.07.19 22:13
日本人の中国語学習者は“3声+2声”が苦手だと思います。例えば“法国”や“解決”です。なぜか最初の3声が2声に変化してしまいます。
広東語は以前マレーシア華僑の人に少し教えてもらったことがありますが、彼女の父親は客家、母親は福建系で、広東語はマレー語字幕付きの香港ドラマを見ているうちに覚えたそうです。ドラマは馬鹿にできないと思いました。
投稿: shrimp | 2005.07.19 23:57
shrimpさん、こんにちは。
あまり他の学習者の中国語を聞く機会がないのですが、3声+2声で3が2になる人がいるのはなぜでしょうね...。
2声がきちんとできていないからかな、とも思います。上昇だから低いところから発音を始めてしまう。音の高さを5段階とすると、2声は 3→5 の感覚だと思うんですが、これを 1→4 くらいで出してしまう。
そうするとその前の3声が低いと低音が続いて苦しくなるので上がり調子になるのかもしれません(3+3の変調と似て)。
発音の教科書に
「声調は二文字の組み合わせで練習しましょう」
という記事がありました。
機械的な組み合わせで20通り。単純な練習ですがけっこう効果があったように思います。「法国」だと、しゃがんでから立ち上がるようなイメージ...。
投稿: Shira | 2005.07.21 05:34
shiraさんのコメントを読んで、大いに納得しました。2声ができてないから、苦しくなって上がり調子になるんですね!この説は正しいと思います。やっと謎が解けました。ありがとうございます。
投稿: shrimp | 2005.07.21 12:58
勝手な想像を書いたにもかかわらず暖かい書き込みありがとうございます。
私もいろいろと細かいことをここで書いているにもかわらず、なんとなく「日本人っぽい」発音をしています。まあ、愛嬌のうちだと言ってもらっていますが...。
投稿: Shira | 2005.07.21 21:34