« 2006年8月 | トップページ | 2006年10月 »

2006年9月の11件の記事

2006-09-30 東方書店

東京都千代田区神田神保町にある「東方書店」は楽しい書店だ。
中国の書店に行ってしまったほうが手っ取り早いかもしれないが、首都圏に用事があるならぜひ立ち寄ってみたらどうかと思う。

外国語を学習するときの大きな主題「相互理解」に欠かせない良質な図書がある。あまりに本の数が多くて途方にくれてしまう中国大都市の書店と違って、日本人の目で選択した品揃えであることにも意味があると思う。

中国で使われている中国語の学習書も置いてある。新しい教科書はまず中国語版や英語版で出るので、日本語版が出回っている教科書はずいぶんと旧態依然に見えてしまう。

良い教材にめぐり合いたかったら、中国に留学するか、中国の教材に詳しい学校に通うべきだとしみじみ感じた。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

良質の教材は常に生まれる

昔から定評のある教材には、今日もなお改訂が続けられて第一線で使えるものが多数存在する。教師が使いやすいことも(自分が使った教材だから)教材が長生きする理由だろう。

だが、新しい教材には進歩がある。研究による合理的な考えがある。新しい教材を積極的に使う教師は信頼できると思う。

「中国語のエッセンス」(遠藤光暁 白帝社)
著者は私を中国語の道に導いてくれたNHKラジオ中国語講座入門編(2004-04期)の担当で、合理的・進歩的な教授法を考えている学者だ。

この本は入門書ながら動詞の重要性や「了」の用法の解説で斬新な切り込みを見せ、類書から一頭抜けているように思う。少し引用してみよう。

普通の教科書・文法書では"了"の用法を動詞末のもの(完了ないし実現を表す)と文末のもの(変化を表す)にニ大別していますが、こうして見ると"了"が付く位置というの本質的なものではなく、〈動作動詞に付くか状態述語に付くか〉こそが意味の決定的な区別をもたらすことがお分かりになると思います
(P147 「"了"のポイント」、強調原著のとおり)。

英語の"the"や"to"についての最近の解説を読んだような「すっきり感」がある。

「自分のすべてを中国語で口にできる本」(千島英一 アルク)

サイト「中国語を話そう」でshrimpさんが勧めている本の新装版(2006-09-11発行)だ。他の教科書ではなかなか身に付かない表現がまとまっている。中国語教室に通うときの準備としてもとても良いと思う。

アルクらしく、学習する気になる装丁だ。文字が大きく、いいかげんに憶えてきた簡体字の確認にもなる。

| | コメント (0) | トラックバック (1)

2006-09-18 神保町・東方書店

神保町に立ち寄った。古書店街というとちょっとかびくさい印象を受けてあまり歩かなかったが、最近は中国語を学習したりうまいコーヒーを追い求めたりするのでがぜん気になる街だ。

喫茶「神田伯剌西爾」(かんだぶらじる)に行った。

伯剌西爾の店内は不思議と落ち着ける。白黒で写真を撮ったら昭和30年といっても不自然ではない。

禁煙の小部屋もある。大部屋のほうが雰囲気は良いが、たばこを吸わない人には座っていられないだろう。小部屋は少々狭くて他人に聞かれたくない話はできないだろうが、声は響かなくて意外に静か。「神田ブレンド」を注文したが、強烈な印象がなくてもおいしいコーヒーがあることを教えてくれる。

一緒にいるのがなんとなくまだぎこちないような若い男女の二人連れが来たが、ちょっと緊張して座る様子が微笑ましい。

いかにも神保町の喫茶店という雰囲気がするが、わざとらしくなくて好ましい。

店から出て少し歩くと、東方書店の前を偶然通りかかった。ここがそうかと思って店に入ってみる。

ここは中国語学習者や中国研究者にはたまらない書店だ。今日は長居をしなかったが、新書や文庫で中国に関連するものがまとめて置いてあるのは実にありがたい。

せっかくなので少し買い物をした。内容については別の記事で書く。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2006-09-16 もう少し

初级汉语口语 提高篇もあと2課だ。
一巡したら終わりというわけではないが、一区切りという感慨がある。

先に進むのと並行して、第1課から練習問題を使って復習している。

この教科書は中国語と英語とだけで編集してあるので、日本語を即座に中国語にするという作文の練習には使えない。そのため、各課の練習問題(置き換え問題が中心)を日本語にしてノートを作り、それを中国語にする練習をしている。

この方法は手間がかかるが、非常に良い面があることに気づいた。
まず、中国語→日本語 の変換(往路)で、中国語特有の表現に気づく。「訳しづらい」・「原文を尊重して訳すと日本語が自然にならない」という場所が重要なのだと思う。こういうところに日本人が苦手な発想が詰まっている。思い切って自然な日本語にしてしまう。

自然な日本語にしてしまったものを中国語に変換する(復路)。中国語特有の表現・語感に従わないと元の中国語に戻らない。負荷が大きいながらも得るものが大きい練習だ。日本語の影響が強い不自然な中国語にならないようにするには良い練習だと思う。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006-09-10 私にはわからない

自分の中国語を録音して自分で聞いたことがないというあなた。
私にはあなたのような学習者がいることが信じられない。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006-09-10 発音は直せる

shrimpさんの学習者支援サイト「中国語を話そう」に二ヶ月で発音が大幅に向上した学習者の話があった(不定期日記 2006-09-07 「発音は直せる」)。

声調を矯正し、それから個別の音を正確にし、次に間合いや強弱・速さを自然にする。このような順序を守ったので短期間に向上したのだと思う。

もちろん学習者本人の意識も大きな要因だ。やみくもに取り組んだり、不明確な目的で学習しても効果は薄いはずだ。下記の点を冷静に分析して取り組んだのではないかと私は推測する。

・自分の発音には問題がある
・効果的な意思疎通・学習には自然な発音が役に立ちそうだ
・必ず向上させることができ、その果実は投資に十分見合うものだ

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006-09-07 普通語

普通語三題

ニューズウィーク日本語版2006-9・13号によると、中華人民共和国内で普通語を使えない人が全人口の40%ほどもいるという(正確な数字は当該雑誌が手元にないため不明)。

私はむしろ6割の人が普通語で意思疎通できるのは大変なことだと感じる。

品川区五反田の中国料理店では7人ほどもいる従業員全員が母語を中国語とする人だ。少々驚いたことに、普通語あるいはそれに近い発音でやりとりしている。西安料理の店だが、かの地の人たちはこのような発音で話しているのだろうか。

五反田駅近くの喫茶店の接客係は2人とも中国人留学生と見られる人だった。教材CDで聞くような中国語で雑談をしている。思わず聞き耳を立ててしまう。

職場近くの中国料理店では中国語であることがすぐにはわからない方言で話すので、今日の体験は少し不思議だった。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006-09-03 予想が外れる

キヤノンから電子辞書ワードタンクV90が登場したときに、
「これでいよいよ新しい辞書を搭載した機種が各メーカーから出るな」
と思った。

それまで日本で発売された電子辞書で学習に十分使えるものは「小学館中日辞典 初版」を搭載したものだった。この辞書はすでに10年ほども前のもので、書籍版では第二版が発売されている。新しい講談社の辞書を搭載したV90は新しい時代の幕開けだと感じた。

セイコーインスツルやカシオの電子辞書にもそれぞれ特徴があるので、各メーカーの製品が出揃ってから選ぼうと判断した。

ところが新しい中日辞典(小学館の第二版など)を搭載した電子辞書が発表されない。英語辞典の分野では各社しのぎを削って新商品を出しているというのに。

中日・日中辞典の電子版は,やはり採算を取るだけの市場を創出できないのだろうか。カシオの堅牢な構造やセイコーインスツルの見やすい液晶・優れたキーボードは気になるところ。販売数が見込めない中国語は「キヤノンにやらせておけ」という判断なのだろうか。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006-09-03 やっぱり儿化

北京編集の教材のためか、教科書には記載のない儿化音が録音CDにときどき登場する。

我要考上国内的名牌大学
この名牌が mingpair になっている。予備知識がないと何の音だと思うだろう。

この課には速度の速い会話が一つ含まれている。母親が口答えする息子に言う
你怎么能这样跟妈妈说话呢?
このgenがとても短く、gの音が短く聞こえる程度だ。ピンインで書き取ろうとしても内容の予測ができないと難しいだろう。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

お約束の内容

以前使った「修訂新中国語」には中華人民共和国の現政権を称える本文があった。解放後に農村の生活が見違えるように改善したというものだ。

初级汉语口语 第二版は2004年の本なのでそのような題材が出てこないのかと思ったが、全18課の第15課で登場した。政府による成果であるとは言わないが、農村の生活水準は今や都市の水準にそれほど劣らないという内容だ。

この教科書は留学生が多く使うので、中国の沿岸部と内陸部との経済発展格差を意識して編集したのではないか。

本文の題は「城市好还是农村好」というものだ。
「都市は混雑し、気ぜわしい。住環境も良くない。農村の生活基盤は以前に比べてずっと改善され、自然が残っていて、住むには良い面もある」
という、欧米や日本、韓国からの留学生に受け入れやすい内容になっている。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

副業

初级汉语口语第二版 提高篇には若い人の就職を扱った課文がある。

こんな一節があった。
「あれ、さっき仕事から帰ってきたのにまたお出かけ?」
「副業で子供に英語を教えているの」
「あら、それはいいわね。英語は得意なんでしょう」
「そう。それに、収入も増えるしね」
「家にいるよりはそうして稼いだほうがいいものね」

時間があれば収入を増やすために使うべき、という考えがごく当然に現れている。生け花や茶道、着付、ダンスなどに時間を使う東京の職業人は中国の都会っ子にどう映るのだろうか。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2006年8月 | トップページ | 2006年10月 »