良質の教材は常に生まれる
昔から定評のある教材には、今日もなお改訂が続けられて第一線で使えるものが多数存在する。教師が使いやすいことも(自分が使った教材だから)教材が長生きする理由だろう。
だが、新しい教材には進歩がある。研究による合理的な考えがある。新しい教材を積極的に使う教師は信頼できると思う。
「中国語のエッセンス」(遠藤光暁 白帝社)
著者は私を中国語の道に導いてくれたNHKラジオ中国語講座入門編(2004-04期)の担当で、合理的・進歩的な教授法を考えている学者だ。
この本は入門書ながら動詞の重要性や「了」の用法の解説で斬新な切り込みを見せ、類書から一頭抜けているように思う。少し引用してみよう。
普通の教科書・文法書では"了"の用法を動詞末のもの(完了ないし実現を表す)と文末のもの(変化を表す)にニ大別していますが、こうして見ると"了"が付く位置というの本質的なものではなく、〈動作動詞に付くか状態述語に付くか〉こそが意味の決定的な区別をもたらすことがお分かりになると思います(P147 「"了"のポイント」、強調原著のとおり)。
英語の"the"や"to"についての最近の解説を読んだような「すっきり感」がある。
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「自分のすべてを中国語で口にできる本」(千島英一 アルク)
サイト「中国語を話そう」でshrimpさんが勧めている本の新装版(2006-09-11発行)だ。他の教科書ではなかなか身に付かない表現がまとまっている。中国語教室に通うときの準備としてもとても良いと思う。
アルクらしく、学習する気になる装丁だ。文字が大きく、いいかげんに憶えてきた簡体字の確認にもなる。
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