2006-10-29 あなたの日常
外国語の学習者がときどき言うことに、
「日常会話くらいは(できるようになりたい)」
ということがある。
この「日常会話」が意味することは人によって大きく違う。
仕事で中国語を使っている人の「日常」は職場だ。研究生にとって大切な「日常」は学術的な内容を扱うときだろう。旅行者の「日常」は消費者としての立場のものが多いはずだ。
外国に駐在したり日本の外国企業で勤務する人がよく言うのは、
「仕事で使う外国語は、最初は難しかったが内容には親しみがある。わかってくるとどんどん使えるようになるし、誤解も少ない」
ということだ。これは私にも経験がある。
海外駐在員にとって難しいのは日常の外(職場の外)で起こることだ。たとえば、冠婚葬祭で話すときには練習しておいても適切な表現かどうかに自信が持てないものだ。自分や家族が病気になったり、近隣との間に問題が起きたり、子供の学校でいじめ等の問題があったりすると、こまやかな表現が必要だけではなく、文化背景の違いもあって大変なストレスだ。
言語に関心があるなら、「日常会話」とは何かについて少し考えてみるのもよいことだろう。
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