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2007年5月の10件の記事

2007-05-26 メタ認知が大切(1)

現象と原因とを別のこととしてとらえるのは、生産や医療という現場ではごく当然のことのようです。不良品が出続ける。その原因は何か。血圧が下がらない。その原因は何か。

これが外国語の学習となると、ちょっと冷静さが失われるように感じています。会話がなめらかに進まない。本が楽に読めない。こういうときに、
「もっと勉強しなきゃ」
「評判の参考書を買おうか」
「学校に行こうか」
と短絡してしまうことはけっこう多いんじゃないかと思います。

中国語の学習をしていて感じるのですが、なにかうまくいかないという現象を見つけたら、その原因を少し掘り下げて考えるといいんじゃないでしょうか。

私は非営利の学習活動「自主トレ」に参加して、ニュース原稿の音読をしています。なかなか思うように読めないのですが、それではどうしたらよいのか。

ある程度の回数が必要なのは間違いないので、練習回数をついつい重ねようとしてしまいます。ですが、これには危険がありますね。本当に効率が良いかどうかわからないし、繰り返しによって間違いを掘り下げてしまうこともあるかもしれません。

やはり原因を分解して調べてみるべきでしょう。声調の連続になじめないのか、内容がわからないから語順を自然にとらえられないのか、それとも新出語が多くて負担が大きいのか。

要素をおおざっばにつかんだら、それぞれについて練習課題を考えてみます。そして、そのような部分練習の成果をじっくり評価すると実に多くのことがわかります。

外国語の学習のためには、運動や芸術の練習をもっともっと参考にするといいんじゃないかと思います。楽器なら楽譜の読み込み・音そのものの向上・音階練習・解釈と目的別の練習をしますし、運動選手なら基礎体力・バランス・スピード・精神面など、要素別の訓練があるはず。曲ばかりひいている演奏家や練習試合ばかりしているプロ選手はいないでしょう。

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2007-05-22 おそれ

英国の伝統ある経済紙 The Economist の表紙はときどき笑わせてくれます。でも単なる冗談ではないかも、と思わせるところがさすが老舗。

最新号はこれです。

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2007-05-20 ほんとうに習っているのか

日下教授の発音教科書の名は
「アタマで知り、カラダで覚える中国語の発音」
ですが、この「アタマで知り、カラダで覚える」という姿勢は大好きです。とりわけ成年者が外国語を学習するときには忘れてはならないと思います。

中国語学習を始めてから今まで、発音のメカニックな点(発声器官の使い方・日本語との相違)を自分なりに納得するまで考えてきました。この投資は今になって大きく成果を返してくれていると思います。

「ほんとうにこの音なのか」
「どのように練習すればうまくいくのか」
「身についたかどうかはどうやって確認するのか」
こんなことを考えながらやってきましたが、悩んで考え込んでしまうこともなく学習を続けることができました。

日本に中国語教室は数ありますが、いくつか体験入学をしてみた経験からすると、かなり多くの教室で教師が発音指導をあきらめてしまっているのかもしれません。学校側は効率的な学習方法を考案できないでいるし、学習者も発音の練習をつまらないものだと思ってまじめに取り組まないからなのでしょう。

学習が進んだ人も、つつみ隠さず発音を判定してくれる教師に診断をしてもらうと得るものが多いと思います。

大事なことを伝えたい相手が(あなたの発音がわからないために)首をかしげ続けるようでは、何のために外国語を学習しているのかわからない...。

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強力な新刊書

関西大学の日下恒夫教授は一般学習者向けの中国語発音教授法の考案に力を入れています。同教授が雑誌「中国語ジャーナル」に連載した(2004-04~2004-12)「クサカ教授の発音"徹底"トレーニング」は内容が豊富で、バックナンバー購入でそろえてしまいました。

その日下の本が2007-05に出ました。
「アタマで知り、カラダで覚える中国語の発音」(アルク)
です。

いままでの発音参考書に多かったのは、一つの音の要素についてすべてを詰め込んでしまってから次の要素に移っていくものですが、この方法には二つの問題点があったと思います。
1.ひととおりできるようになった学習者がさらに自然な発音を身につけるほどの内容を盛り込むと初学者が敬遠してしまう。
2.基礎を身に付けた学習者にとっては物足りない。

今回出た日下の本は、基礎を一周した後で内容を深めていく構成になっています。これは大いに評価したいところです。

大切なところをさらりと流してしまったりしているところもあるので「これ一冊」というわけにはいかないのですが、他の教材と併用することで大いに役に立つと思います。

内容は同教授がアルクの雑誌等に書いたものをまとめたようで、すでに連載を読んだ人は書店で手に取ってから購入するかどうかを判断するといいと思います。また、熱心さのあまり一種独特の「オタクっぽさ」を感じる人もいるかもしれませんね。

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2007-05-16 文書がたくさん

新しい職場に来てから三週間ほどになります。

台湾とのやりとりがけっこうあって、ときどき現地の契約書や見積書を見かける機会があります。

いままで学習した範囲でもけっこう読めるものですね。まあ、内容に親しんでいることもあるのでしょう。繁体字もなんとなく古風な雰囲気で悪くないものです。

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2007-05-15 尽きることがない

辞書を調べると、目的の語の前後に同じ字を使った表現がたくさんあるのを見てしまいます。

「うわー、こんなにあるのか...」
と思わずにはいられません。

目で見れば(漢字のよしみで)なんとかなりますが、耳で聞いたらたぶんわからない。

Sarah McLachlan の Angel という歌に
"And the endlessness that you fear"
という一節がありますが、それをなんとなく思い出しました。

おそらく学習者の多くが通った道。

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2007-05-13 「通じればいいんだよ」

英語の学習に苦労している人を見かけて次のように言う人がいます。
「(英語なんか)通じればいいんだよ」

通じないから世の中の多くの人が困ったり学習したりあきらめたりしているのです。

猛烈ななまりがあったって、単語を並べるくらいの文章以前の文章だって、コミュニケーションの目的に合った意思疎通ができれば良いのです。そして、そこにたどりつくのがけっこうたいへんなのです。

学習方法について
「私はこんなふうにして短期間に外国語を身につけた」
という内容の本やブログ、Webサイトは数限りなくありますが、そのほとんどは外国語を使えるようになった人が自分の過去について書いているにすきません。「振り返り型」の学習資料ですね。

「振り返り型」資料を参考にするときには少し用心深くならなければいけないと思いますね。プロテニスプレーヤーやノーベル賞学者の言うことを真似てもうまくいかないように、先を走っている人が「振り返って」何かを述べたことはそのまま自分に役に立つとは限らないのではないでしょうか。

学習法・教育については、効果の実証が大切だと思います。

私が大いにおすすめする参考書を一点あげておきますね。

英語習得の「常識」「非常識」―第二言語習得研究からの検証
白畑 知彦・須田 孝司・若林 茂則

* 書名に Amazon.co.jp へのリンクを設定しましたが、これは書評等を参照するためで、アフィリエイト関係にはありません。

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2007-05-13 「慣れ」

shrimpさん主催の非営利学習会「自主トレ」に参加してから早くも4ヶ月になりました。この活動ではニュース原稿を読みますが、その効果がじわりと出てきたように思います。

二週間同じ教材を使うのが効果的です。月~金勤務の人だと、週末なしの一週間ではどうしても用意が不足気味になるんですが、一度学習会で不備な点を確認した後にさらに一週間あるのは効果があがる方法だと思います。

参加を始めてからしばらくは第一週でニュース原稿を読むときには文字を一つ一つ読んでいるようなものでした。ところが、四ヶ月目となった最近では第一週でも以前ほど悲惨な状態にはならなくなってきました。ラジオ・テレビニュースの原稿ですから、随筆や文学、会話とはだいぶ文体・内容が異なるのですが、3百~4百文字の中国文3編を二週間に一回読んでいくとそれなりの「慣れ」効果がありますね。

試験対策等ではなかなかできない「全般的な慣れ」が実現できるのが「自主トレ」の大きな利点なのかな、と思っています。

shrimpさんが同じ場所に会場を押さえておいてくれるのもとてもありがたい*。天気が良くて窓の外が明るい日に十分な声量で読んでいくと、なんだか気分まで晴れて中国語が上達したような気がしてくるではないですか。

*少し時間がかかるが、その電車の中で予習ができるのがまた良い。通勤定期券が使えるので交通費は往復四百円。

** shrimpさんのサイト「中国語を話そう」に自主トレを思いついた考えがしっかりと書いてある。中国語だけではなく、外国語学習全般に役立つ記事だ。

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2007-05-04 そり舌というけれど

そり舌音についてはいろいろと言われていますが、昔ながらのわかりにくい説明が幅をきかせているのが残念ですね*。

舌先の位置ばかりに重点が置かれていて、次の大事なことをあまり説明していません。

1.舌の側面はどうなっているか
2.舌の奥はどうなっているか
3.そういう舌の形から、呼気はどう出てくるのか
4.どんな音を出すためにそういう形にするのか

そして、困ったことに口の中のメカニズムを説明することに慣れていない教師(特に、「発音できちゃう」中国人教師)は舌先の位置だけをまねした音が正しくないことはわかるので、
「そうじゃなくて、舌先をこうするんだ」
と、音が正しくない原因に関係ない指摘をして学習者を困惑させてしまうようです。

* 英語で th で舌を上下の歯ではさむようにするとか、f で下唇を上の歯で噛むようにするとかいう(一番大事なところからずれた)説明もいまだに死に絶えないですね...。

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2007-05-04 昔の癖

松本洋子の中国語発音クリニック」で ng が少し弱いと指摘されました。

これは以前にも指摘されて、どうやって直そうかと気になっていたところでした。

こういうときには楽器演奏の先生に教えてもらったとっておきの方法でいきましょうか。極端に行く、ってやつです。

軽声以外で ng が登場する部分では十分に意識して音を出します。もちろん「母音の色」も使い分けるつもりで発音します*。これを何日か続けていると、それほど苦労しなくても ng をたっぷりと鳴らすことができるようになります。そして、不思議なことに録音教材を聞いたときに ng が良く響いて聞こえてくるんですね。

さて、これをどうやって自然な、中国語らしい音に仕上げていきましょうか...。

* an と ang とでは、音の明るさ(調音点が手前か奥か)がけっこう違います。

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