強力な新刊書
関西大学の日下恒夫教授は一般学習者向けの中国語発音教授法の考案に力を入れています。同教授が雑誌「中国語ジャーナル」に連載した(2004-04~2004-12)「クサカ教授の発音"徹底"トレーニング」は内容が豊富で、バックナンバー購入でそろえてしまいました。
その日下の本が2007-05に出ました。
「アタマで知り、カラダで覚える中国語の発音」(アルク)
です。
いままでの発音参考書に多かったのは、一つの音の要素についてすべてを詰め込んでしまってから次の要素に移っていくものですが、この方法には二つの問題点があったと思います。
1.ひととおりできるようになった学習者がさらに自然な発音を身につけるほどの内容を盛り込むと初学者が敬遠してしまう。
2.基礎を身に付けた学習者にとっては物足りない。
今回出た日下の本は、基礎を一周した後で内容を深めていく構成になっています。これは大いに評価したいところです。
大切なところをさらりと流してしまったりしているところもあるので「これ一冊」というわけにはいかないのですが、他の教材と併用することで大いに役に立つと思います。
内容は同教授がアルクの雑誌等に書いたものをまとめたようで、すでに連載を読んだ人は書店で手に取ってから購入するかどうかを判断するといいと思います。また、熱心さのあまり一種独特の「オタクっぽさ」を感じる人もいるかもしれませんね。
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コメント
はじめまして。
仕事では中国語とは無縁なんですが、中国にいろいろと興味があります。
昨年春にNHKのラジオとテレビを録って、一応見たり聞いたりしていましたが、結局本当に見たり聞いたりしただけで頭に残っていません。
で、今年の春からまたやろうと思ったのですが、せっかく録ったのだからと去年のをやり直そうとしてました。ですが、今回はほとんど進まなくて、気分転換にと中国語ジャーナルを一冊買ったら、もう、なにがなんやら!モチベーション上げるどころか、余計に下がってしまいました。
でも、今回は真面目にやろうと思ってます。やはり通じる中国語にしたいです。まだ、はっきり決まってませんが、来年2月には旅行に行くかもしれません。その時に少しでも成果が感じられるように今から準備したいと思ってます。
そして、Shiraさんのブログのように発音から頑張ってみようと、本屋に行くと日下先生のこの本に出会いました。他には発音中心の本が無かったので、これを購入しました。
そしたら、Shiraさんのブログで「強力な新刊」と書いておられたので、ちょっとテンションがあがってきました。が、
>大切なところをさらりと流してしまったりしているところもあるので「これ一冊」というわけにはいかないのですが、他の教材と
>併用することで大いに役に立つと思います。
とおっしゃってますよね?ってことは他にもやっぱり発音教材利用すべきですか???
いきなりのコメントで長文すいません。
投稿: 894 | 2007.06.07 18:08
894さん、こんにちは。
良い本を購入されたと思いますよ。日下教授の主張はまっとうなものが多いし、大切なところでは丁寧に書いていると思います。
まずこの本でひととおり学習するのはいかがでしょうか。そうすると疑問点が出てくると思いますが、そのときが他の教材の出番ではないかと思います。
成功をおいのりしています(^^)
投稿: Shira | 2007.06.10 13:03
こんにちは。数週間前、Shiraさんに「よい教材を教えてください」とメールした者です。
買いました、「アタマで知り、カラダで覚える中国語の発音」(アルク)。
とにかく解説が詳しい、詳しい。
中国語発音教材の決定版といったところでしょうか。
さすがShiraさんは見る目がありますね。
これからコツコツと読みはじめたいと思います。
投稿: Y | 2007.08.09 17:29
Yさん、こんにちは。
日下教授は発音指導に使命感を感じているようで、それが徹底した教材を世に出す原動力になっているようですね。
出版社も英語発音の本が多く出るようになったので、潮流を読み取っているのかもしれません。
本を使って学習したら、
1.録音して手本と比較する
2.なにがどう違うかを(自分なりに)説明できるようにしてみる
3.信頼できる発音教師に診断してもらい、自分の感じていることがどういうことなのかを探ってみる
こうすれば同じ時間を投入しても効果は何倍にもなるように思います。
投稿: Shira | 2007.08.14 11:11