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2007-06-23 教科書は単調だが、論文はとんがっている

自主トレで 这么・那么 の用法が話題になりました。

ここにないことについて「这么」と言ったり、近くにあることなのに「那么」と言ったりすることがありそうなのです。

使いわけの基準は物理的な距離だけじゃないな、と思って、「这么 那么 心理的距離」で検索してみました。言語を研究している中国人留学生(名前から察するに)の論文が第一候補に挙がります(Google がさすがだと思うのはこのセンスの良さですね)。

この論文によると、使い分けは客観的な空間・時間の遠近だけではなく、話者の主観も影響するといいます。

論文は読みやすいものばかりとは限らないのですが(一般の学習者からしたら、それこそ究極のオタク文章です)大いに参考になることも多いようです。中国語の「了」や英語の冠詞のように、難しい難しいと(それこそお経のように)唱え続けてきた内容についてだって、鋭く切り込んで明快な説明をしている論文は数多くあります。

文中にリンクを埋め込む World Wide Web (WWW) は学術論文を参照するために開発されたそうですが、インターネット接続があればいまやだれにでも使えます。山盛りの情報の海で遭難しかかることもあるかもしれませんが、教科書にまだ載ってこない宝物を探しあてることも多いでしょう。

検索するときにセンスの良いキーワードを考えるのも頭の体操としてとても良いと思います(今回は「心理的距離」が大当たりでした)。疑問に感じることを自分でも追いかけられるのはすばらしいことですね。

今回見つけた論文:
「現代中国語“这”“那”の指示内容に関する考察 : 心理的な遠近概念との関与」(高芃, 名古屋大学国際言語文化研究科国際多元文化専攻, 2004-03)

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コメント

私も院のレポートで、中国語の小説とその日本語訳を引き比べて、「这」「那」がどう訳されているか調べたことがあるんですが、「这」を「あ」で、「那」を「こ」で訳してあるところがあったんです。しかも、確かにそう訳したほうが日本語としては自然なんですよね。『日本語教育のための誤用分析―中国語話者の母語干渉20例』張麟声(著)という本にも、これに関する1章があります。

投稿: cowley | 2007.06.24 10:14

cowleyさん、こんにちは。

どなただったか、外国語の教育で恐ろしいのは「イコール記号」だと言った人がいました。

異なる言語でイコールなのは科学技術用語くらいじゃないのかなー。

英語の finger は足の「指」は含まないし、熱くても冷たくても water。这と那とについてもいろいろありそうです。

投稿: Shira | 2007.06.24 21:46

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