2007-08-22 汲めども尽きぬ
今まで読んだ中国語学習関連の本でもっとも印象に残るのが「日本語から学ぶ中国語・中国語から学ぶ日本語」(王浩智 東京図書)です。
この数日間通勤電車の中で読み直しているんですが、初めて読んだときには読み流してしまったところにも大きな意味があることがわかって感動を新たにしています。学習が進んだからこそわかることって、多いのですね。
このようすだと、来年あたりまた読んでも役に立つと思います。
書名の後半「中国語から学ぶ日本語」の意味も今になってわかってきました。以前このブログに日本語を学習する中国語母語話者にとっても収穫の多い本だと書きましたが、それだけではありませんね。中国語を学習する日本人がこの本を読むと、日本語がどのような言語かがわかってくるのです。それもいままで思いもしなかった角度から。母語に真剣に向かい合うことって、なかなかないですからね。
学習を始めたころは第一章「言葉と対象」あたりでびっくりするのですが、もっと学習が進むと第二章以降で述べている著者の慧眼に感心すると思います。たとえば、110ページの語順について書いてあるところを見てみてはどうでしょうか。
「中国語は語順だよね」という巷の話に対して、著者は言います。
しかし、語順という用語の前で思考停止したら、語順の本質が見えてきません。中略
言い換えればれ語順が意味をもつのではなく、その背後に隠されている約束ごとが意味をもつのです。
同じ著者の「中国語翻訳作法」(決して翻訳のためだけではなく、学習者にとってとても参考になります)とあわせて、私にとっては手放せない本になりそうです。
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