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2008-06-01 発音についての立場

Mickie_Veさんのブログ「知音夢裡尋」の発音についての記事には積年の思いがこもっているように感じます。

「発音を気にするのもいいけど、言いたいことを言えるようにするのが大事だろ」
「外国語もいいけど、話す内容が大事じゃないですか?」
こんなことをまじめな顔をして言っている人がいまだにいるんですが、正直なところ、そうした人のアタマをパカッと開けて中を見てみたいと思うときがありますね。

伝えたいことがあるから(ココロにあふれんばかりですぞ)相手にわかるように話したいんです。それが発音ごときの問題で伝わらなかったら悲しいじゃないですか。それなのに、発音がまずくてせっかく学習した普通語が伝わらない人がたっくさんいるじゃないですか。

自分の発音に大きな問題があることに気づかない超鈍感な学習者が多いことについては、学習者自身責任も大きいけれど、教師の責任も無視できないですね。

日本人ふうの普通語、おおいにけっこうです。でも、努力してきちんと通じる発音を実現して、どんなときでも一回で通じるように練習して、その後にじわりとにじみ出てくるのが「日本人っぽい発音」なんです。自分勝手な「中国語のようなもの」を日本人の中国語だなんて呼んでほしくない。

まじめな学習者や熱心な communicator (うまい日本語を思いつかず失礼)が使うのが「日本人の中国語」なのです。

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コメント

語学学習には、問題意識とバランス感覚が必要ですね。あとはコスト意識。
なぜ発音をやらなくちゃいけないのか、一度その理由をよく考えてみる必要はありますよね。時間のかかりすぎる語学学習においては、優先順位をよく考えて、どこに時間を割くべきなのか、なぜそれをやるのか、指導者がいたとしても受身じゃいけないですよね。
通じないのは複合要因(発音、文法、語感、単語)がありますから、比較的習得が容易な発音(あくまで比較の話ですが)は、まずつぶすべき重要なポイントになるはずです。それと、学習効率を考えると、発音は良ければ良いほどいいと思います。

投稿: chstd | 2008.06.03 20:48

はじめまして。Shiraさんのブログ、時々楽しく拝見させて頂いております。Shiraさんのおっしゃる発音の重要性は私も否定しませんが、過度な発音重視主義には抵抗があります。私の知り合いに北京アナウンサー並にぶれのない完ぺきな中国語を話す人がいますが、ネイティブに言わせると、そんなきれいな中国語を話す人はアナウンサーくらいしかいないので外国人だと簡単にわかってしまうらしいです。
また、英語の同時通訳の大先生の発音を聞いたことがありますが、失礼ながらその先生の発音はおもいっきり日本語なまりの発音でした。しかし、ネイティブにはバッチリ通じていたようです。発音よりもむしろ大切なのは表現力(高い母語能力が前提として備わってないといけません)だと私は考えています。まさに私は、Shiraさんのおっしゃる「アタマをパカッと開けて中を見てみたい」人の一人かもしれません。^^;

投稿: masa | 2008.06.04 13:47

私はNHKラジオ中国語講座で日本人講師の発音の癖さえ気になる方ですが,学習者としては発音の基本を学習の最初期にきちんとやっておけば(おきさえすれば:必要条件の只要),あとは苦手な発音を注意する(習練)程度でいいと思ってます。発音をきちんとやってないと(おいてこそ初めて:十分条件の只有)いけない語学教師やアナウンサーを目指すのでもなければ,いつまでも拘る(修錬)のは却って得策ではないとも。是不是をスーブースと発音する等は論外ですが,福原愛も発音そんなに良くないけど「言いたいことを言える」からいいじゃんとか思う私は「アタマをパカッと開けて中を見てみたい」まさしく(就是)そのもの(本身)かもしれません。(^^; それより“普通話”を“普通語”と発音されてるのかなということの方は非常に気になってて仕方ありません…ハイ。(^_^;;

投稿: Saito | 2008.06.05 11:12

chstdさん、こんにちは。

>>なぜ発音をやらなくちゃいけないのか、一度その理由をよく考えてみる必要はありますよね。

本当にそうだと思います。発音学習法の他にも「○○勉強法」「××するだけ」という情報がにぎやかに飛び交っていますけど、学習者の「なぜ?」という態度や自分の時間を使うにあたって能動的になることはとても大事だと思います。


外国語で言いたいことを言う場合、

  相手に伝わる内容 = 言いたいこと × 言語運用能力

と仮定すると、どんなにすばらしい考えを持っていても言語運用能力がゼロだと結果もゼロですね。ゼロを1に近づけていくのはなかなか大変でけど、その努力の中でも発音の学習は「割がいい」のではないでしょうか。それなりのゴールも意識できますし(語法や語彙では底なし)、正直な中国人教師にテストしてもらえば成果は簡単に判定できると思います。

投稿: Shira | 2008.06.07 23:05

masaさん、書き込みありがとうございます。

普通話というのは一種の人工言語だと思っています。厳密な意味でのネイティブスピーカ(物心ついてから話している人)が一人もいない...。

この点は外国人学習者にとって(やや)気楽に感じるところですね。中国人が
「これまで聞いたことのない不思議な発音だけど、標準だ」
と感じる水準を狙えばいいわけです。


masaさんのコメントにあった同時通訳の大先生についてですが、

>>ネイティブにはバッチリ通じていたようです

ということですので、職業通訳者として相当練習した成果だと思います。私が中国語で目標としている(夢に見ている)のはこういうレベルなんです。そして、このレベルを実現する中国語学習者はとても少ないというのが私の意見です(中国語学校の授業を見学してみて)。

声調や声母、韻母が自分勝手でまったく通じない人、会話の相手(中国人)に過大な負担をかける人(何度も聞き返されて、それでもダメなことが多い人)がそれこそ山のようにいます。一年二年と学習してきてもです。

これは表現力や内容といったことに行き着く前の問題です。

「日本人式でもなんでもいいから、とにかく通じる発音を」
というのが私の学習テーマなんです。

投稿: Shira | 2008.06.07 23:06

Saitoさん、こんにちは。

福原愛の発音は空に輝く星みたいなものだと思ってます。瞬間芸じゃなくて、常時あのくらい達者な発音で話してみたいものです。

>>是不是をスーブースと発音する等
「スーブース」だと困りますけど、「スープスー」を正しい声調で言えれば十分だと思います。私の同僚は「スープスー」ですが、きちんと用が足りています (^^)


>>それより“普通話”を“普通語”と発音されてるのかなということの方は非常に気になってて仕方ありません…ハイ

うわ! ほんとですね。中国語の標準語は「普通話」ですね。でも、「普通話」の日本語訳ってないのでしょうか(大阪話や東北話って言わないし)...。

投稿: Shira | 2008.06.07 23:06

私のブログで中国人から(「広州話」は中国語の1方言なのに)日本人が(1国の言語の様に)「広東語」と言うとは何事か! 日本語では「広東弁」と言うべきだ。と書かれたことがあるのですが,私は日本人から見ると「中国語」も「広東語」も外国語の1つと考えるから日本語では「広東語」と言うのだ。「広東弁」だと違和感がある。と書いてやったことがありました。(^^ヾ

投稿: Saito | 2008.06.08 00:14

以前に私も同じようなことを在日中国人留学生に言われたことがあります。そのときは共通語として英語で話していたんですが、
'It (Cantonese) is NOT a language; it is A DIALECT!'
と横浜線菊名駅前のジョナサンで力説していたのを思い出します。

おそらく普通語教育のときに
「国が広く方言はあるけど、みな普通話」
と強調していたのではないかと感じました。

投稿: Shira | 2008.06.08 22:07

こんにちは545です。興味深い話は満載してますね。
語学の勉強は「耳口之学」と言われましたね。私はその一言ですべてを示したと思います。(読む・書くを軽視する意味ではないよ)

投稿: 545 | 2008.06.22 12:54

545さん、こんにちは。ようこそ。普通話の学習はNHKラジオ中国語講座で始めたので、テキストで545さんの写真は見たことがありますよ。545さんの持論
「簡単に言えばいろんなレベルでのピンインの練習が必要だと思いますね。」
は本当だと思います。会話の練習や文法事項の学習も、少しの工夫で発音の練習を兼ねることができると思っています。

投稿: Shira | 2008.06.22 19:49

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