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2009-01-11 学習方針、揺らぐべし

個人教授で作文の練習もしています。

作文って、言語習得にとって効率の良い手段なのでしょうか。書かないよりは書いた方が学習にはなりますが、その時間を他に振り分けたときと比べて効果はどうなのでしょうね...。

「作文練習好き」には、日本人の特性も少し関係しているように思います。講師が赤ペンでどんどん直すと、
「ああ、ずいぶん勉強になったなあ」
と思うし、
「なるほど、こういうところがまだまだなんだ」
と感じますよね。

学習者のこの思い、学校スポーツで顕著だった(いまだに顕著でもある)根性論に通じるところがあるんじゃないかと思います。

「まだまだだと言われるから、勉強になる」
「誤りを直されるから、ためになる」

こうした感情の働きは、学習の足しになるのでしょうか。

誤りを直されるよりは、その時間を正しい中国語の入力に使うほうが効果があるような気がしてきました。私の場合、誤り訂正は学習継続の動機づけのためと割り切ってもいいかもしれません。


私が外国語で作文するときには、「発明」はできません。書いたものを読んでみて、すんなりと読めるときには文法も正しいし、語彙の使い方もだいじょうぶです。読んで自然な中国語に感じるかどうかは、いままで聞いたり読んだりしたことに 100% 依存していると思います。

思い出すのは大学1年の春。英語会話の授業を取って、教室を間違えて遅れたときに、教師に対して
"We shoud've been here (以下忘れてしまいました)..."
といきなり仮定法で話ができて、まったく自然に通じてしまったことがありました。これが私が英語の母語話者に対して発した第一声です。読む・聞くといった練習だけでも、話す準備は頭の中でできていたかのようでした...。

発行以来さっそく2刷と好評の「外国語学習の科学」(白井恭弘 岩波新書)にはこうした点について興味深い記述があり、学習の方針についても学者が研究してくれた成果を取り入れていったほうがよさそうだと思うようになりました。


やけどや傷の手当てを例にすると*、長い間信じられ、教えられてきた方法よりも良い方法があったわけです。外国語学習についてもそうなのでしょうね。

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やけどには油や味噌、植物の葉という民間治療が長い間言い伝えられてきたようです。野口英世が手をいろりに突っ込んだとき、味噌を付けねば...という話を読んだ記憶があります。昭和40年代に「暮らしの手帖」が「やけどには水」と大きく取り上げたのが記憶に残っています。

傷については湿潤療法が近年だいぶ知られてきました。私もひざのすりきず二箇所で一箇所ずつ従来治療(消毒し、乾くようにする)と湿潤療法(水でよく洗い、密着するパッドで覆う)とを試してみましたが、湿潤療法のほうが痛みが少なく、早くきれいに治りました。

これは私の特定の場合での経験で、実際の治療には医師や専門家の意見を参考にして、ご自身の判断・責任にておこなうよう願います。

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コメント

こんにちは。またまた書き込みさせて頂きます^^
>外国語で作文するときには、「発明」はできません
この部分には、思わず膝を打ってしまいました。日本語⇔外国語間の通訳・翻訳は、単純に単語を置き換えるだけでは、等価な情報として相手に響かないものであるにも関わらず、この点は見過ごされがちですよね。私も○×式で受験勉強的に作文を勉強しようとしていたときよりも、「自然に読む」ことを学習の中心に切り替えてからのほうが、結果として実力?が上がった気がします。HSK11級習得の方の(作文ではないですが)会話勉強法でも「自分が表現したい事を、まず『日本語で』心の中にためておく。中国人が同じ場面で、どんなことをどんなふうに『表現するか』を聞いて・見てから、自分でも実際に使ってみる」ということを書かれていました。作文もそれと同じだと思います。「日本語で上手く文章書けない」という方がいた場合「まず本を沢山読んで、上手い文章を真似したり書き写せば?」とを勧める方は多いと思われますが、こと外国語になると「インプット(もしくは模倣)なくしてアウトプットなし」という原則を忘れてしまう方が多い気がします。英語の松本亨先生が、英語習得の極意として「Listen more,speak less.Read more,write less」と説明されたといいますが、まさにその通りかと^^。長文失礼しました。私も頑張ります!

投稿: sang shan | 2009.01.11 18:04

sang shan さん、こんにちは。
「発明をしないこと」は、広東語学習サイト「デンさんの広東語相談室」で知った言葉です。簡潔でありながら深い真理を表していて、とても印象に残りました。

このサイトはけっこう過激なのですが、参考になることも多いと思います。改訂が入るとうれしいのですが、最近は更新されていないようですね。

http://www.geocities.co.jp/Hollywood-Studio/8377/index.html

投稿: Shira | 2009.01.12 21:06

Shiraさんこんにちは!実は、こちらのサイト、以前 Shiraさんのブログ(いつだったかも紹介されていますよね?)経由で見ております^^ 現在も、ばっちりお気に入りに登録中です。中国語を学習する者として、いずれ広東語や上海語も(ベーシックレベルは)やらなくてはならないと思っているので、そのときは何としても会いに行きたい先生の一人です。

投稿: sang shan | 2009.01.17 09:01

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