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2010-04-10 発音小工事中

会話教材のすでに学んだ単元を再度聞いて復習するときがあります。余裕があるので、何回かに一回は発音に注意してみます。

音質の良い録音教材をじっくり聞くと、話者の口の中の調音点が「見えてくる」ような気がします。たとえば ang の音なら、音が出ている短い間に音の発生点(調音点)が口のまん中あたりから奥に移っていく感じです。

その他にもいろいろと気づくことがありました。


私の場合、まず自分の s c z の発音の切れ味が少々良くないことに気づきました。舌の先を上の歯茎に触れて出す音なのですが、私の場合は突端というよりは突端~舌の上面という、やや広めの面積が触れていました。舌を「べたっ」と押しつけてしまうという感じですね。

舌の先で「突く」ような意識で発音するとだいぶ良い感じになりました(あくまで私の主観です)。

もう一つ、t d l n についても同様に舌が「余り気味」(私の場合)だったので、舌の先を上向きに立てるようなつもりで発音するようにしました。


q j x の音も少し練習しなおしました。これらの音は、音が発生する点(発火点みたいな)は舌の中央あたりの上面が口蓋に接したりごく接近した場所なのでしょう。この点は ch sh zh の音が発生する点よりも奥になるはずです。

このことを説明せずに舌先の位置を示してばかりだと、学習者は正しい(楽な)発音がわからない可能性がありますね。


日本人には ch zh と q j との聞き分けが苦手な人がかなりいそうですが、中国南部の人が普通話を話すときには ch sh zh を c s z で代用している(ように聞こえる)のは示唆に富んでいると思います。zh と j とは似ていないが、zh と z とは似ていると感じるのが中国人。

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コメント

あ!やっぱりそうだったか!
どうも私が『日焼け止め』を発音すると、すんなり通じる人たちと通じない人たちがいるんですよ。いつもこれで少し悩んでいたんです。
確かに南の人はfangshaiというよりfangsaiというと通じますねー。

投稿: あんちゅあん | 2010.04.11 23:03

音を聞いて調音点が前後・上下どう移動しているかを把握することは大切だと思います。その際、私は単純に「点」で考えてしまいがちですが、実際には舌は立体だし軟体動物のように(時間)変化するので、もっともっと複雑でアナログ的ですよね。音を聞いた時の舌や息のイメージがどこまで膨らむかがポイントだなと常々思っています。リアルにイメージできれば微調整しやすいです。もう1つは、前提条件として「自分の耳はどこまで信用できるのか?」という問題。

難しい話ですね~。発音の解説はしょせんヒントに過ぎないのかもしれません。

投稿: chstd | 2010.04.12 22:43

あんちゅあんさん、こんにちは。

実地での体験にはいつも新しい発見があると思います。

南の人と北の人とが普通話で話しているのを聞くと、お互い自分流の発音なのにちゃんと通じているのがおもしろいです。東京・大阪、アメリカ・イギリスの組み合わせに通じるところがありますね。

投稿: Shira | 2010.04.13 12:34

chstdさん、こんにちは。

職場に三次元CADソフトがあるのですが、外国語の発音教材にもこうした新技術を使うべきでしょうね。指導者A・指導者B・中国人X・中国人Yが皆違う説明のしかたをしているが、実は同じことだった...ということもあるんじゃないかと思っています。

投稿: Shira | 2010.04.13 12:36

現地のネイティブの会話で、Fang2shai4がFangSai4になっても通じているのは、Fang2のあとに続く語がShai4であることが、お互いに連想できているからでしょうね。いわゆる「脳内補完」というものです。このあたりは、わたしも自身のブログでいくつか解説してみました。

この「連想力」、わたしも是非ほしいところです。

投稿: 明天会更美好 | 2010.04.14 21:30

Shiraさん、こんばんは!


>音質の良い録音教材をじっくり聞くと、話者の口の中の調音点が
>「見えてくる」ような気がします。
素晴らしすぎます!
私が言う所の、キャンディ・メソッドの「透視」に相当することが
Shiraさんも出来ているようです。キャンディ・メソッド実践者の殆どは
「体感」は出来ますが、「透視」まで出来る人は数少ないです。
Shiraさん、私を含めて、まだ3人だけです。


>たとえば ang の音なら、音が出ている短い間に音の発生点(調音点)が
>口のまん中あたりから奥に移っていく感じです。
Shiraさんの「透視」は、素晴らしすぎます。時間の分解能が非常に高い。

英語での話ですが、「曖昧母音は全ての母音の元である。」という言葉を
聞いたことがありませんか? 調音音声学で言われていることですが、
多分、日本人の学者さんは、この意味を正しく理解できていません。
私の持論で、すみませんが、曖昧母音といわれている物は、本当は
存在せず、殆どの場合は SHORT-U (hutの母音)か /I/ か、弱く発音される
母音を十把一絡げにした表記、3つの内のどれかです。

前述のShiraさんの「透視」ではangのaにて、最初に短い時間、Short-Uが見えて、
それからang のa の口内の奥~気道部分(後舌母音)へ調音点が移動した
と言えると思います。

中国語も英語と同じ下顎の使い方をする場面が多いので、母音の最初に
非常に短い時間、SHORT-Uが出現するようです。
これが「曖昧母音は全ての母音の元である。」の正体です。
下顎の使い方による自然現象です。英語鼻の第三段階で登場する予定です。
記事が登場するのは、私のモチベーション次第なので、
ちょっと先になるかもしれませんが・・・・

投稿: 某スレの639 | 2010.04.17 03:17

中国語の発音は少し聞いただけなので、
話半分で聞いて下さい。

お話を聞くと、Tに関しても英語のTに似ているようですね。

英語音声学でのTは、舌先の側面だけを上あごの歯茎に
軽く当てるとされています。

ここからは私の持論ですが、強い鋭いTは、息を強めて発音するから出るのではなく、舌先が歯茎に触れる面積を少なくして、つまり、舌先の側面だけを歯茎に触れて、
舌先が歯茎から離れるスピードを早くすることで大きな鋭いTの音が出ます。真空状態を利用していると私は考えています。この持論もモチベーションが続けば、639式破裂音メソッドで登場します。

投稿: 某スレの639 | 2010.04.17 03:25

某スレの639さん、ブログ引っ越しお疲れ様です。記事が開くのがすごく早くなり(というか、普通になり...)、人に紹介しやすくなりますね。

「透視」なんていうすごいものじゃなくて、「なんとなーくそんな感じがする」
程度なんです。きっと自分で発音練習しているから、その感触も影響しているのでしょうね。

「こうじゃないか」
と思うと本当にそう感じてくるから人間はおもしろい(いいかげん)と思います。機会を見つけて信頼できる指導者に点検してもらおうと思います。

ちなみに、前回の点検では
「改善点が多々ありますねー」
と言われて帰ってきました...。

投稿: Shira | 2010.04.17 21:12

もひとつ。

>強い鋭いTは、息を強めて発音するから出るのではなく、舌先が歯茎に触れる面積を少なくして、つまり、舌先の側面だけを歯茎に触れて、

私も最近そんな気がしていました。


(私の経験--英語)
強烈な t を表面的にまねようとして、舌の先を上の歯の下にちょっと顔を出すくらいまで突き出し、舌の先端上面を「べたっ」と歯の裏周辺に押しつけて口の中の空気を盛大に爆発させようとしていた時期がありました。

画面で見ると英米人はそういうことはしていないようです。それでいて「キレ」のある t を楽々出しているではないですか!

投稿: Shira | 2010.04.17 21:20

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