2011-10-16 5年で 1/8(新しいことの吸収)
失敗学の著書を複数著している畑村洋太郎教授の本を書店で見かけました。人生のリスク管理についての本だったと思います。
新しいことを吸収する能力は25歳を過ぎると5年ごとに1/2になり,40歳では1/8になると述べていました。
これはかなり当たっているように感じます。中国語の学習を始めたとき、漠然と
「中学の3年間であのくらいまで英語が使えるようになったから、中国語も同じくらいの速度で習得してみようか」
と思いました。
実際に学習を進めてみるととんでもない思い違いだったと気づきます。特に語彙の習得で学習速度の落ち込みが顕著です。英語で雑誌や専門書を読んでいた25~33歳の頃は辞書で一度調べるとまず大丈夫でした。中国語では同じ語を何度も(そして何度も)調べています。
畑村教授の説に沿うと、40歳で中国語の学習を始めて5年経過すれば吸収能力は開始したときの 1/8 というわけです。うん、けっこう当たっているかも…。
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家庭教師として英語を教えている10歳の小学生。CDを与えて1週間放っておくと日本語にない TH や L、R の音も日本語の音で代用することなくみごとに正しい方法で出すようになります。CDの内容を「完全耳コピ」して、人間テープレコーダー状態。本人は特別なことをしている意識は全くないんですね。中国語の一単元を1ヶ月聞き続けている私は笑ってしまうしかありませんでした。
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コメント
上野先生によると中国語は15年で1人前だそうですから
40代半ばから始めた私は15x8=120年かかる…えーっ!
50代なてから始めたフランス語は10x12=やはり120年…(T^T)
ぇぇ、ぃぃんです。結果よりやることが重視の私ですから。(^^;
投稿: Saito | 2011.10.16 14:12
よ~くわかります。1/8になるって。
これって自分の元々の吸収率の1/8ってことですよね?
もともと低い吸収率だった私は今や限りなく0に近い吸収しかしていません(泣)。
下手するとところてん方式で覚えていたことも次々に押し出されて忘れてしまうのでマイナスです。
投稿: chaiko | 2011.10.17 00:04
Saitoさん、こんにちは。
いや、ほんと、120年って現実味があります。
投稿: Shira | 2011.10.19 23:20
chaikoさんも感じますか…。
畑村教授によると、人を動員する能力は年齢と共に急速に増大するそうです。
中国語と二胡とで周囲を巻き込んでくださいね。
投稿: Shira | 2011.10.19 23:22
子どもの発音習得能力は大人とは何かが違いますね。最近一つ思ったことがあります。
日曜日に公園で小学生4年ぐらいの子供5人が遊んでいたのですが、会話が全部英語でした。一人は白人でしたが残りは帰国子女の日本人のようでした。子供らしくstupid!とか大声で叫んでサッカーやら鬼ごっこのようなことして走り回っていました。
このとき、日中韓の子供が集まるイベントで通訳をしたとき、中国の子供が声を張り上げて話していたのを思い浮かべました。
「思い切り声を張り上げて声量の限界で発音したことがあるかどうか」
もしかすると子供と大人の言語習得の違いの一つがこれではないかと思いました。声量の限界で発音した後にそれを弱めて発音するのが正しい発音ではないか、あるいは感情を込めて発音してそれを弱めたものが正しい発音ではないか、ただ発音すると既に間違った発音になるのではないか、といったことを考えています。中国でクレイジーイングリッシュというのもありましたね。
投稿: akira | 2011.10.25 21:14
akiraさん、こんにちは。
私が例に出した10歳児も元気な声でCDに合わせて歌ってます。自信満々です。
>声量の限界で発音した後にそれを弱めて発音するのが正しい発音ではないか、あるいは感情を込めて発音してそれを弱めたものが正しい発音ではないか、ただ発音すると既に間違った発音になるのではないか
類似したことをウィズダム外国語学院の発音指導で感じました。脱力してよく声が出る状態でたっぷりと出した状態で「チューニング」する必要があるみたいです。
投稿: Shira | 2011.10.28 19:26