カテゴリー「ウィズダム広東語学院」の8件の記事

2011-12-03 離れてわかる恩師の凄み

ウィズダム外国語学院の授業はすばらしいと思いましたが(内容は唯一無二と言っても言い過ぎではないと思います)、効果は通学が終わってからも続くことに気づきました。

通学を終えて半年も過ぎたあたりから口の動きがだいぶ柔軟になってきました。以前はCDに追いつくのがかなり苦しかったのですが、2ヶ月前くらいから同じ速さできっちりと言えるようになっています。特に口腔内の前後長を以前よりも使えるようになったように思います。個々の音をしっかり練習すると、自然な速さにするときの「急ぎ具合」も正しくなるからではないでしょうか。

ウィズダムでは L を直して、B の本質を教えてもらって、E で3ヶ月ほど苦しみました。次にやっかいだったのが SH と母音との連携(SH の後に無用な送気時間が入ってしまう)。これはまだ克服できていないですね。Q・J・X もずいぶん練習しました。Q では音が出る瞬間の倍音構成が不自然で、これも解決に至らず。

そして一番大変だったのが U。ウィズダムの講師は「技を掛けて直す」ようなことをせず、学習者の気づきに合わせて様々な指摘をして「埋まってしまっている本来の音」を掘り出す手伝いをしてくれます。私の U も日本語の強い影響に深く埋まっていましたが、なんとか出土しました。授業を離れてからの練習で一番変化したのが U だと感じています。

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2011-11-01 個人教授の必要性(発音)

発音の練習で最も成果があったのがウィズダム外国語学院で個人授業を受けた時期でした。授業料は安くないのですが、確実に成果が出るので正当化できると思っています(他の教室や教材にもっと費用をかけても同様の成果は得られないので)。

発音に関しての教材はずいぶん出回るようになり、良質な物も多いと思います。ただ、超えられない限界があるのはしかたがないところですね。それは

学習者の癖・弱点・長所は人それぞれ

ということです。

楽器や声楽を優れた教師に付いて習った人なら以下に引用するウィズダム外国語学院サイトの記事に共感するのではないかと思います。

聞かせるモデル発音自体も、学習者一人一人に合わせて変えなければならない場合が少なくありません。「そんな馬鹿な!正しい発音は只一つで、相手によって変えるなんて、そんないい加減な教え方じゃ駄目に決まっている」って思う人が多いでしょうね。簡単な例え話をしましょう。右のほうに曲がった癖の付いた竹の棒を真直ぐにしようとしたら、曲がったものを只真直ぐに伸ばしただけでは、また右に曲がってしまいますから、左に曲げてやる必要があります。しかし、左に曲がった癖の付いた竹棒を真直ぐにしようとすれば、逆に右に曲げてやる必要があります。学習者に聞かせるモデル発音も同じことなのです。これも市販の発音教材にはやりようのないことです。

正しい音を聞いて練習して発音が正しくなるとしたら、良い発音教材が出回り、ドラマもたくさん見ることができるようになってから15年にもなる英語では多くの人が相手に負担をかけない発音で話しているはずですが、現実はどうもそうではないですね(いや、実際には相当ひどい…)。

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2011-10-15 無気音と有気音と

ウィズダム外国語学院の最初の授業で正しい無気音の出し方を教えてもらいました(つまり同時に正しい有気音も教えてもらったわけですが)。

授業の内容を具体的に書くのは控えておきます。ケチなわけではなく、発音については学習者それぞれが抱える問題の質がまったく違うことが多いために無用な誤解を産む可能性が高いからです(主任講師の田さんからは「Shiraさん、ブログに何を書いてもかまいませんよ」と言っていただいています)。


授業の再現ではなく、私なりの表現を書いてみますね。
無気音を出すときに
「息をそっと出す」
という説明が多いのですが、これは違うな、と思いました。結果として息はそっと出るのかもしれませんが、息を押さえようとして声まで元気がなくなっては良くないですね。

息をそっと出すのではなく、「声を素早くしっかり出す」ようにするという感覚ではどうでしょうか。声帯をしっかり使うことで息だけが出る時間がなくなり、結果として良く鳴る無気音ができあがるように思います。相当大きい声で爆発的に ba と出してみましたが、母語話者には間違いなく自然な無気音として聞いてもらえました。

中国のニュースや映画、ドラマには
「勢いのある無気音」
がたくさんあります。


ということで、
「有気音では息を勢いよく出す」
という説明にもただし書きが必要です。息の勢いはどうでもよくて、「送気」の時間があれば良いのでしょう。ですから、「そっと出す有気音」もたくさん聞くことができます。口腔内の圧力を高くして力任せに出す有気音について、ウィズダム外国語学院のサイトは
「中国語が話せる殆ど全ての日本人の中国語が、ネイティブにとっては大変高圧的なものになってしまっているのです」
と書いています。


「無気音は元気に、有気音はそっと時間をかけて出すものかもしれない」と考えて聞いたり練習したりすると新たな気づきがあるように思います。その際には信頼できる母語話者に聞いてもらうと安心ですね。

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2011-08-25 ウィズダム広東語学院改め…

私が中国語発音の練習で大変お世話になった(そのうち再度お世話になる可能性も高いです)ウィズダム広東語学院のサイトが模様替えです。


ウィズダム外国語学院

サイトの文章jを読んで
「なんだかスゴそう」
「フツーじゃない」
「能書きはすごいけど、実のところはどうなのか」
と思う方もいらっしゃると思います。

少なくとも学習者のブログを読んでいるようなまじめで関心が深い方なら、通学すればすばらしい経験になるように思います。

私は10ヶ月ほど通いましたが、常に暖かく包み込まれるような思いで授業を受けていました。

ここの授業には「間に合わせ」「妥協」「あきらめ」ということが一切なく、学習者が追うのをあきらめない限り収穫がありますね。

講師の田さんは他の教室や学習方法を貶めることはまったくなく(そんなヒマはない)、ただ自身が信じて学習者のためになることに、いわば愚直に取り組んでくれる方です。

私は英語も習いに行きたいのですが(中国語の発音がまともになってきたので、自分の英語の発音にがまんができなくなりました)、いまのところ米音のみの指導のようです。私は超大国の発音はちょっと…、なので、英音指導を始めてくれないかなーと思っています。

英音を身につけたい方がいらっしゃいましたら、いっしょにウィズダムに要望メールを出しませんか?

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2011-08-21 授業風景(発音についての説明)

さて、ウィズダム広東語学院の授業はどのように展開するのかと思いつつ初回の授業に出かけます。

初めの四時間ほどは発音習得に際する基礎知識の説明です。

広東語の発音という、日本人にとっては相当の難物を長い間指導してきただけあって、この説明は実に的確なものでした。説明を聞いているときには
「なるほど、そうなのだな」
と思う程度なのですが、後日の授業では何度も(毎回のように)このときの内容に立ち戻ることになります。良い例えではないかもしれませんが、
「親父の小言と冷や酒は後で効く」
まさしくこんな感じです。

この説明を聞いて理解するだけで発音が劇的に変わっていく学習者もいるようですが、私の場合は残念ながらそこまでの即効性はありませんでした(歳のせいでしょうか…)。しかし、この説明に出てくる用語をよく理解するようにしたおかげで後日の授業の能率が大いに高まるのを実感しました。授業で使われる用語(概念)を 100% 理解して共有するのは大切ですね。

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2011-08-19 受講への長い道のり

面接に出かけたのは夜で、初めて下車する駅から地図を頼りに歩きます。住宅街にある立派な屋敷といった印象の建物です。看板は出ていませんので、明るいうちに建物にある "WISDOMS' HOUSE" と書かれた銘板を確かめておくと安心でしょう。

主任講師の田さんはとても暖かい感じで、いろいろな話ができました。
「ああ、この方となら安心して学習時間を過ごせそうだ」
と感じ、通う決意をしました(横浜からだと遠いのです…)。

私は月~金の勤務なので、土・日のどちらかの授業を希望しました。仕事が終わってからの授業はなかなか大変なのは以前に金曜の夜の教室に通って経験していましたので。

すぐに授業を開始したいと思っていたのですが、田さんからはなかなか連絡が来ません。

「どうですか?」
とメールを出すと、
「広東語の授業が忙しく、模範的な北京語が即座に出てくる状態にありません(注)。授業をするなら Shira さんにとって十分役立つものにしたいのですが、どうしたら良いか思案しているところです」

私の学習歴がそこそこ長いので、どのように授業を進めるかについていろいと考えていただいていたようです。


面接のときに少し中国語を読んで聞いてもらったのですが、授業の方針を決めるためにもう少し私の音声を聞いてみたいとの連絡があり、数十秒の録音を送りました。

「Shira さんにはそれなりの学習歴があるのでどうしようかと迷っていましたが、送っていただいた音声を聞くといろいろと基本的な問題点があります。(私の)いつもの方法で一つ一つの音からやりなおしていきましょう」
という連絡をいただき、ようやく初回の授業の日が決まったのは面接から5ヶ月後の8月のことでした。

※ 注: 後日わかるのですが、これは主任講師田さんの特異な才能のためでした。

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2011-07-25 ウィズダム広東語学院との出会い

前回に総括を書いたので、今回からは時系列で書いてみますね。

ウィズダム広東語学院との出会いは中国語学習を始める以前、2003年頃のことでした。英語の学習方法について調べていて主任講師デンさんの個人サイトを見つけ、興味深く読みました。当時書いたサイトでリンクを紹介しています。

中国語の学習を始めたのが 2004年の春。発音学習のときにウィズダム広東語学院が「北京語」(同学院では「普通話」という呼び方をあまりしません--後に理由がわかりました)の指導もするらしいと知って気になっていましたが、遠いこともあって受講は考えませんでした。

2009年に中国語講師 shrimp さんが主催する「自主トレ」に参加してみごとな発音の学習者に出会いました(当時のブログ記事)。この方がウィズダム広東語学院で発音を習ったのを知ったのは年が明けてからのことでした。主任講師の田(でん)さんに受講したい旨伝えると、
「広東語教授で忙しいのですが、まあ、まず面接を受けてみませんか」
との連絡を受けました。まだ寒い日もある 2010年3月のことです。

受講への道のりは、実はここからが長かったのです。

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2011-07-17 ウィズダム広東語学院での発音矯正

こんにちは。

ウィズダム広東語学院で普通話の発音個人授業を週一回数ヶ月間受けてきました。授業が続いている間は毎週新しい発見がありますが、次週で一時休止にします(今まで習ったことの消化・復習をしたいため)。

これを機会にこれまでの記録を書いておこうと思います(授業を再び受ける日は近いうちにやって来るかもしれませんが)。

何度かに分けて書きます。まず概要から始めます。

私個人が選択して料金を払って授業を受けた結果なので、「自分が選んだのだから良いはずだ」という傾向(偏向)はあるでしょうね。それでもなるべく客観的に書こうと思います。

1.他に類するものがない発音授業です。
2.少し時間を掛けて取り組む必要がありました。
3.東京都豊島区だけで受講できます。
4.主任講師が多忙なため、授業時間を確保するのが困難です。


正しい中国語の発音を身につけようと思っている方に何か一つ勧めるとしたらこの学院ですね。発音重視を掲げる教育機関はそれこそ山ほどありますが、そのほとんどの内容は大同小異です。

この学院のすごみは受講者が矯正前の音をどうやって出しているのか・なぜそうなってしまうのかを解き明かして、そこから正しい音を出すための処方をするところにあります。

ビジネス書に盛んに出てくる
「ゴールの設定 → 現在の分析 → 二地点間の距離を埋める」
という経過を実現できる授業は(私の経験した限りでは)この学院だけでした。

従って、正しい音を聞いただけでその通りの音を出せる学習者には縁がないでしょうね(ごくまれにそういう方がいるようです)。


学習仲間の morimicha さん(ブログ「同時通訳者になるまでの記録」著者)の関連記事が参考になります。 morimicha さんは別の記事
>でも、今の発音レッスンの先生は1000年に1度会えるか会えないかのスーパーな方なので、
と書いていらっしゃいますが、私も授業を受けた後ではさほど大げさとも思えません。

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